製図試験のエスキスで、
「ボリュームが決まらない」
「後から全部ひっくり返る」
という状態に陥る人は非常に多いです。
原因の多くは、ボリューム検討の入れ方そのものを誤解していること。
この記事では、このブログの考え方と矛盾しない形で、
試験で使えるボリューム検討の入れ方を整理します。
ボリューム検討とは何を決める作業か
ボリューム検討は、
建物の形をデザインする作業ではありません。
試験におけるボリューム検討の目的は、
- 要求室が「物理的に入るか」
- 高さ・階数が成立するか
- 動線と構造が破綻しないか
この成立性の確認です。
見た目やかっこよさは、
この段階では一切必要ありません。
最初に決めるべきは「形」ではない
多くの人が最初にやってしまうのが、
- コの字
- ロの字
- L型
といった形から入るボリューム検討です。
しかし試験では、
形ありきの検討はほぼ確実に破綻します。
先に決めるべきなのは、
- 必要延床面積
- 階数の目安
- 高さ制限との関係
この3点です。
ボリューム検討の基本ステップ
① 必要延床面積をざっくり把握する
要求室表から、
各階に必要な床面積をラフに合計します。
この時点では
±10〜15%ズレていて問題ありません。
② 階数を決める
次に、
- 建ぺい率
- 容積率
- 高さ制限
を見ながら、
現実的な階数を決めます。
ここで無理をすると、
後工程で必ず崩れます。
③ 各階の床の「塊」を置く
部屋割りはまだ考えません。
まずは、
- 1階:○㎡
- 2階:○㎡
という床の塊を、
敷地に対して置いていきます。
④ 動線が成立するかだけを見る
この段階で確認するのは、
- メイン動線が通るか
- EV・階段が無理なく入るか
だけで十分です。
部屋の細かい位置は、
まだ詰めません。
よくある失敗パターン
形を作ってから面積を当てはめる
→ 途中で合わなくなり、全崩れします。
ボリュームを細かく描きすぎる
→ 修正が効かず、時間を浪費します。
一度決めたボリュームに固執する
→ 条件変更に対応できなくなります。
本番エスキスでの現実的な考え方
本番では、
完璧なボリュームは不要です。
必要なのは、
- 要求室が無理なく入る
- 法規・高さでアウトしない
- 動線と構造が致命的に破綻しない
この3点を満たすこと。
ボリュームは、
後から多少ズレても修正できる前提で入れましょう。
まとめ
ボリューム検討は、
「デザイン」ではなく
成立性を確認する作業です。
- 面積
- 階数
- 高さ
この順番を守るだけで、
エスキスの迷走は大きく減ります。
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