一級建築士を目指し始めると、
ほぼ必ず出てくる疑問があります。
「学科と製図、同時にやった方がいいのか?」
SNSやスクールの説明を見ると、
「早めに製図も触っておくべき」
「学科だけだと製図で詰む」
そんな声も多いです。
結論から言います。
基本的には「同時並行はおすすめしない」
特に社会人・独学・初受験の人ほど、
学科と製図を同時にやろうとして失敗します。
理由はシンプルです。
- 学科と製図は頭の使い方がまったく違う
- 両方とも中途半端になりやすい
- 結果としてどちらも不安が残る
「効率が良さそう」に見えるのが、一番の落とし穴です。
学科と製図は“別の競技”
まずここをはっきりさせておきます。
学科
- 暗記・理解・過去問処理
- 点数ゲーム
- 再現性が高い
製図
- 判断・取捨選択・時間配分
- 合否ゲーム
- 再現性が低い(慣れが必要)
この2つを同時に進めるのは、
マラソンと重量挙げを同じ日に本気でやるようなものです。
どちらも「やった感」は出ますが、
どちらも伸びません。
同時並行で起きがちな失敗パターン
実際によく見る失敗はこの3つです。
① 学科が浅くなる
「今日は製図があるから…」
「今週はエスキスを少し…」
そうやって学科の勉強時間が削られ、
過去問の回転数が足りなくなります。
結果、
学科で落ちて製図以前の話になる。
これが一番多いです。
② 製図が“分かった気”で止まる
学科を優先しながら製図を少し触ると、
- 課題は眺めただけ
- エスキスは途中まで
- 作図は未完成
「なんとなく分かった」状態で止まります。
本番レベルの製図力は、
中途半端な並行では絶対につきません。
③ 常に不安が消えない
学科をやっても
「製図が遅れてる気がする」
製図をやっても
「学科大丈夫かな…」
この状態、かなりメンタルを削られます。
じゃあ製図はいつからやるべき?
結論はこれです。
学科合格が見えた段階で一気に切り替える
具体的には、
- 学科試験後
- もしくは模試・過去問で安定して合格点が出る状態
このタイミングで、
学科 → 製図に100%切り替えるのが一番効率的です。
製図は「短期集中」の方が圧倒的に伸びます。
例外:同時並行してもいい人
ただし、全員に当てはまるわけではありません。
同時並行が向いている人
- 設計実務を日常的にやっている
- 二級製図を最近合格している
- 勉強時間が十分に取れる(毎日3〜4時間以上)
こういう人は、
「製図に慣れる目的」で軽く触るのはアリです。
それでも
本気の製図対策は学科後が基本です。
おすすめの考え方(現実的)
迷ったら、この順番で考えてください。
- 学科に落ちたら製図は受けられない
- 学科はやれば点が積み上がる
- 製図は短期集中の方が強い
つまり、
学科を最優先で潰す → 製図に全振り
これが一番失敗しにくいルートです。
まとめ|同時並行は「効率が良さそう」で危険
- 学科と製図は同時並行しなくていい
- むしろ多くの人にとっては逆効果
- 学科を固めてから製図に集中する方が合格に近い
「不安だから全部やる」は、
一級建築士試験ではあまり良い戦略ではありません。
やるべきことを、やるべき順番で。
それだけで、合格率はかなり変わります。

