― 丸暗記で挑むと、必ずどこかで詰む ―
「法規は暗記科目でしょ?」
一級建築士を目指す人から、かなりの頻度で聞く言葉です。
確かに条文は文字だらけで、
数値や条件も多く、暗記したくなる気持ちは分かります。
ですが、法規を“暗記科目”として扱った人ほど、点が伸びません。
それには、はっきりした理由があります。
結論:法規は「条件分岐を読む科目」
法規の問題は、
「この条文を覚えているか?」ではなく、
「条件を整理して、適用関係を正しく判断できるか?」
を聞いてきます。
つまり法規は、
✔ 文章理解
✔ 条件整理
✔ ルールの優先順位
この3つを使う思考系の科目です。
なぜ暗記だけでは通用しないのか
① 条文は“単独では使われない”
法規の条文は、
ほぼ必ず他の条文とセットで使われます。
例:
- 原則 → ただし書き
- 原則 → 例外 → さらに例外
- 法律 → 政令 → 告示
どれか1つだけ覚えていても、
他の条件を落とすと即アウトです。
暗記だけだと、
「これ、どの条件が優先だっけ?」
となった瞬間に思考停止します。
② 数値は“覚えるもの”ではなく“比較するもの”
容積率・建ぺい率・高さ制限。
数値は確かに出ます。
でも試験では、
「○○は何%か?」
と単純に聞いてくることはほぼありません。
聞かれるのは、
- AとB、どちらが厳しい?
- 原則と例外、どちらが適用?
- この条件ならOK?NG?
つまり、
数字そのものより、使い方が重要です。
③ 問題文が長い=条件を落としに来ている
法規が苦手な人ほど、
「問題文が長くて嫌になる」と言います。
でも、あの長文は意地悪ではありません。
「どこを拾えて、どこを捨てるか」
を見ているだけです。
暗記型の人ほど、
文章を流し読みして条件を落とします。
法規が一気に伸びる人の思考パターン
点が伸びる人は、
問題をこう見ています。
- まず建物用途を確認
- 敷地条件を整理
- 適用条文の“階層”を意識
- 原則→例外の順で判断
覚えているかどうかより、順序を間違えない。
これができた瞬間、法規は安定します。
「暗記しなくていい」は誤解
ここで誤解してほしくないのは、
❌ 法規は暗記しなくていい
⭕ 法規は「暗記だけ」では足りない
ということです。
- 頻出数値
- 定義条文
- 超基本ルール
これらは最低限の暗記は必要です。
ただしそれは、
考えるための材料であって、
ゴールではありません。
法規が苦手な人の共通点
実際に見てきて多いのは、
- 条文を丸ごと覚えようとする
- 線を引きすぎて逆に迷う
- 問題文を最後まで読まない
- 条件を図にしない
この状態だと、
どれだけ時間をかけても点が安定しません。
法規は「理解した人から楽になる科目」
最初は確かにしんどいです。
でも一度、
「この科目は暗記じゃない」
と切り替えられた人から、
✔ 時間が足りる
✔ 迷いが減る
✔ ミスが減る
この状態に入ります。
まとめ:法規は“考える暗記科目”
- 条文は覚えるが、使い方が本質
- 数字は比較対象
- 問題文はヒントの集合
法規は、
理解が追いついた瞬間に一番コスパが良くなる科目です。
暗記で押し切ろうとして苦しんでいるなら、
一度立ち止まって、
「どう考えさせようとしている問題か」
を意識してみてください。

