一級建築士製図試験の勉強を始めると、
ほぼ確実に最初につまずく言葉があります。
それが「エスキス」です。
なんとなく重要そう、
なんとなく難しそう。
でも「結局なにをやっている時間なのか」が分からないまま進んでいる人も多い。
この記事では、
エスキスをテクニックや才能の話にしないことを前提に、
製図試験の中での正しい位置づけを整理します。
エスキスとは何かを一言で言うと
エスキスとは、
**「図面を描く前に、破綻しない計画を決め切る作業」**です。
・かっこいい配置を考える
・きれいなプランを描く
・正解図面を探す
こういった作業ではありません。
エスキスの役割はただ一つ。
この条件で最後まで描き切れるかを確認することです。
なぜ製図試験でエスキスが重要なのか
製図試験は、
「部分点の積み上げ」ではなく
全体が成立しているかどうかで評価されます。
途中で
- 動線が破綻する
- 面積が合わない
- 設備や構造が入らない
こうなると、
どれだけ作図が丁寧でも評価は一気に落ちます。
エスキスは、
その破綻を先に潰すための工程です。
作図時間を守るためでもあり、
本番で焦らないための保険でもあります。
エスキスで決めていること・決めていないこと
エスキスで決めることは多くありません。
主に決めているのは、
- ゾーニング(どこに何を置くか)
- 動線の大枠
- ボリューム感(階数・床面積の成立)
- 構造・設備が入る余地
逆に、
エスキスでは細かい寸法や意匠は決めません。
ここを勘違いすると、
エスキスが異常に長くなります。
エスキスは「うまく描く時間」ではない
エスキスが苦しい理由の多くは、
「うまくやろう」としてしまうことです。
製図試験のエスキスは、
仕事の設計とは別物です。
評価されるのは、
- 条件を落としていないか
- 破綻せずに描き切れているか
それだけ。
上手さやセンスは、
ほぼ関係ありません。
エスキスが苦手な人に共通する誤解
エスキスが苦手な人ほど、
- 毎回ゼロから考え直す
- 模範解答に近づけようとする
- 正解を探そうとする
という行動を取りがちです。
でも試験で求められているのは、
毎回同じ判断ができることです。
エスキスは「考える力」より
「型を持っているか」で差が出ます。
エスキスを理解すると製図全体が楽になる
エスキスの役割が分かると、
- 作図が安定する
- 途中で迷わなくなる
- 本番の精神的負担が減る
製図試験は、
エスキスで8割が決まると言われる理由もここにあります。
まずは、
「エスキス=計画をまとめ切る作業」
という認識を持つことが第一歩です。
ラフで雑な図でも問題ありません。
成立しているかどうかだけを確認する工程です。
次に読むべき記事
エスキスの定義が分かったら、
次は「なぜうまくいかないのか」を切り分けていく段階です。
👉「エスキスがまとまらない原因」
👉「エスキスにかける時間の正解」
エスキスは才能ではなく、
構造を理解すると一気に楽になります。

