一級建築士製図試験において、
**エスキスは「うまくやれば武器になるが、間違えると致命傷になる工程」**です。
実際、
・時間をかけすぎて作図が間に合わない
・途中で迷子になって何も決まらない
・それっぽい案はあるのに評価されない
こうした失敗の多くは、
エスキスで「やってはいけないこと」を無意識にやっているのが原因です。
この記事では、
エスキスで多くの受験生が踏みがちなNG行動を整理し、
なぜそれが危険なのかを解説します。
エスキスで失敗する人が共通して抱える誤解
まず前提として多いのが、
「エスキス=設計センスを発揮する時間」だと思っていることです。
製図試験のエスキスは、
アイデア勝負でも、独創性勝負でもありません。
求められているのは、
条件を落とさず、破綻しない計画を短時間で組み立てること。
この前提を外すと、
エスキスは一気に迷走します。
やってはいけないこと①
最初から完璧なプランを作ろうとする
エスキスで最も危険なのが、
最初の段階で「完成形」を作ろうとすることです。
・形がきれい
・構成が美しい
・自分では納得できる
しかしこの段階では、
まだ条件の抜け・法規の地雷・動線の破綻が潜んでいます。
エスキスは
60点の骨組み → 条件確認 →修正
という流れで十分です。
やってはいけないこと②
条件整理より形づくりを優先する
要求室・面積・必要諸室の整理を飛ばして、
いきなりゾーニングやボリュームを描く。
これは、
地図を見ずに目的地へ向かう行為と同じです。
条件整理は地味ですが、
ここを雑にすると、後半で必ず崩れます。
やってはいけないこと③
動線を後回しにする
「あとで動線は調整すればいい」
この考え方も非常に危険です。
動線は後付けできません。
配置・ゾーニングと同時に決めるものです。
特に製図試験では、
・利用者動線
・管理動線
・サービス動線
これらが破綻した瞬間に評価が落ちます。
やってはいけないこと④
情報を盛り込みすぎる
エスキス段階で、
・構造形式
・設備計画
・詳細な寸法
まで描き込もうとする人がいます。
これは
考えすぎて止まる典型パターンです。
エスキスで決めるのは、
「成立するか・しないか」だけ。
詳細は作図工程で十分です。
やってはいけないこと⑤
毎回エスキスを最初からやり直す
課題練習のたびに、
毎回まったく違う考え方でエスキスを組み直す。
一見、柔軟に見えますが、
これは再現性が育ちません。
エスキスは
型を固定し、微調整する工程です。
毎回ゼロから考える人ほど、
本番で時間を失います。
エスキスは「考える工程」ではなく「決める工程」
エスキスで迷う人ほど、
「もっと考えれば良くなる」と思いがちです。
逆です。
製図試験のエスキスは、
考える工程ではなく、決め切る工程。
やらないことを決めるだけで、
エスキスは驚くほど安定します。
まとめ|エスキスでやらないことを決めるだけで安定する
エスキスがうまくいかない人の多くは、
能力不足ではありません。
・やらなくていいことをやっている
・決めなくていいことに時間を使っている
それだけです。
「やってはいけないこと」を避けるだけで、
エスキスは確実に前に進みます。
次に読むべき記事
エスキスで「やってはいけないこと」を理解できたら、
次に必要なのは 具体的にどう動けば迷わなくなるか を知ることです。
ここから先は、
エスキスを安定させるために必須の2記事を紹介します。
👉「エスキスにかける時間の正解」
エスキスが崩れる最大の原因は、能力ではなく時間配分の失敗です。
「どこまで考えて、どこで切り上げるべきか」を明確にすることで、
作図時間を削らず、毎回同じリズムで製図に入れるようになります。
エスキスで時間を溶かしてしまう人は、必ず先に読んでおきたい内容です。
👉「エスキスがまとまらない原因」
条件は読んだ、時間も意識している。
それでもエスキスがまとまらない人向けの記事です。
多くの受験生が無意識にハマっている思考のズレを整理しているので、
「なぜ毎回途中で止まるのか」が言語化できます。
エスキスが感覚頼りになっている人ほど、効果があります。
